講演テーマへの回答

事前にいただいた平成26年度講演会でのテーマについての回答をまとめてみました。
繰り返しますが、これが正解ではありません。「自分はこう思う」「私だったら、こう思うのだけど」というように、自分で判断がきっちりとできるように感じること、思考すること、が大切だと思います。

ぜひ話して欲しいと要請のあったテーマです。

今、日本が直面している切実な課題を認識させ、将来を担う者として、自覚と責任を考えさせる。

現在の職業を通して、これからの日本を考える際に、高校生に期待すること。

ぜひ、グローバルな視点からの発想ができるような人材を目指しい欲しいものです。
どんな企業も国際的な視点からの思考が必要になってきています。自然や気候を相手にするような一次産業(農業や漁業など)でも生産者が直接、海外と取引・やり取りするという時代になってきています。
社会人になるということは、仕事や自分のやりたいこと・やることを通して社会に貢献することでもあります。
ぜひとも視野を広くもって柔軟な発想や行動ができる人材(⇒人財)となってください。

英語は必需品というよりは、会話・やり取りができて当たり前という時代になりつつあります。
将来自分が勤める会社の上司・社長が、ある日突然、外国人になったり、仕事の取引相手や自分のお客様が外国人になる可能性はあります。
※知人からの情報(笑い話)で、勤めている金融機関のスタッフに(仲間に)ある日突然、ターバンを巻いた人たちが増えた、という話を聞いたことがあります。(システム・コンピューターの世界においてインドの方々は優秀ですから、そんなシーンになったのだと思います)

英語の苦手な人、「ガンバ(頑張る)」です。英語+○○語(二か国語マスター)くらいのつもりで。

震災以後、考えの変化や社会の変化など感じておられること。

震災後、「絆(きずな)」という言葉が広く言われるようになりましたが、日本人としての国民性(親切・謙虚・思いやり・おもてなし・・・)がより強く意識されてきているようにも感じます。

日本人として自信をもって・・・という思考だと思います。

どちらかというと(海外の人たちに対しても、国際的にも)内向き志向的な考え方をするのが、大多数の日本人かも知れません。
でも、日本食(和食)が無形文化遺産に登録されるなど、日本の文化や伝統・技術など(私たちが思っている以上に)誇れるものがあります。

それは、鹿児島という「地」でもいっしょです。鹿児島の人たちは助け合いの精神がより強いと思っています。
そんな鹿児島の県民性や文化・伝統・食材なども含めて、自信をもって「自分という人材=媒体」をとおして発信して欲しいものです。

さらには、日本そのものを世界に発信できるような人材が(いろんな分野で)でてくれることを願っています。

※(これからの話はテーマとは関係ないと思いますが)
明治維新で日本に大きく貢献した鹿児島の先達の方々の話はいうまでもありません。
警視庁(東京の警察、日本全体の警察を統括しているのは警察庁)の初代のトップが薩摩藩出身者だったこともあって、東京の治安を守る警視庁の組織でいちばん出身者が多いのは鹿児島県だ、という話も聞いたことがあります。

鹿児島の人たちはいろんなところで貢献しているのですね。

職業に対する理解を深める。・・・銀行員として回答させていただきます

まず金融機関についてのお話しをします。
銀行(信用金庫やJA等も含めて)には、メガバンクと呼ばれる都市型の銀行と、地方都市に拠点をおく地方銀行があります。
さらに、信託銀行、証券会社、あるいは保険会社(生命保険の他に事故・災害などの損害保険含めて)なども金融機関になりますが、ここでは地方銀行についてお話しします。

いわゆる県外に進学した人たちが「地元に帰って就職する」という時の「地元銀行」、それぞれの地域に住んでいる人や企業さんからみての「地元銀行」についての話しです。

その職業の魅力や将来性とはどんなことか。

【魅力について】
「お金」という経済の血液の循環をとおして、お取引さま(個人・企業等含めて)の発展・成長や幸せ、地元経済の発展などに貢献できる、できている、ということを実感できることがあります。
とりわけ資金を融資して(お客様に借りていただいて)、そのお客様がそのお金を活用して大きく成長・発展されたりするのを見ることができた時は、本当にうれしく思うものです。
逆に、相手が夜逃げしたりダメになったり、という例もあります。(苦笑)

また、いろんな人(職業的に異なった人たち、企業やその中で働くいろんな人たち)との交流などで(成功体験・失敗経験含めて)、自分が成長できるのを実感できるのも魅力の一つです。
企業の担当者や社長さん、あるいは社長さんの後継者の方たちといっしょになって成長していける、ということです。
そこでできた人的つながりは、非常に大きいものです。財産でもあります。

【将来性】
これから(将来)いろんな仕事や職業に就こうという方々に対して悲観的な話しで申し訳ないのですが、事実として頭のかたすみに入れておいてください。

・日本は(すでに)2004年12月がピークで、2005年から人口が減り続けている。(少子高齢化・人口減)
・鹿児島県のピークは(昭和30年)の204万人、今は、170万人(平成22年国勢調査)
・将来は、鹿児島県と宮崎県(同114万人)の2つの県で、今の鹿児島県の人口くらいになるのでは・・・
・しかもお年寄りの比率が高くなる・・・食べない、車も購入しない・乗らない、洋服なども(今ほどは)いらない・・・
・若者や働き盛りの人たちが多い社会と比べると、経済の規模が小さくなる?
・お金が、人が、モノ(食べもの・機械器具・消費財・・・)が、動かない ⇒ 社会全体(国内)が縮小 ⇒
⇒ すべての産業(仕事・職業・会社)に影響がでてくる。(※海外がメインの企業は別かも知れません)


要は、1億3,000万人の人口が8,500万人になれば、(今の社会全体で)3つあったお店が2つで足りることになる、ということです。
では、すべての産業が衰退するかというと決してそうではないと思います。
また、同じ産業でも成長する企業と衰退する企業と、二極化が進むことだけはあり得ると思います。

地元銀行もいっしょです。これから県境を越えての合併などが進むかも知れません。
それなら、これからのみなさんは「どうするか?」ですね。
今から、世の中の動き、経済の動き、世界の動きなどを(ほんの少しでも構わないので)意識して(アンテナを伸ばして)知るようにすれば、人生が全然ちがうものになると思います。

過敏になる必要はありません。自然体で世の中の動きを観察していけばそれで良いと思います。

(見出しや太い文字のところだけでも)新聞を読むようにすると、(そのうちに)皮膚感覚でわかるようになると思います。
※芸能・エンタメやスポーツ欄はダメです(笑)。

その職業に必要な資格、資質、能力は何か。

今の段階から、資格や資質、能力にこだわる必要はないと思います。
その昔(私が入行した頃は)、ソロバンと札勘(さつかん=紙幣を扇形に広げたりして数えること)の能力が求められましたが、
今現在は、(ソロバンなんか使いません)電卓になっています。・・・時代とともに変化する可能性があります。

仮に、金融機関に就職するとなって実際にOKの内定をもらったら、「○○と○△の勉強を開始しておいてください」というように指示されます。
それからでも十分です。

また、就職と就社という違いを理解すれば(今の段階で)心配することはありません。
例えば、銀行員になったとします。○○銀行に就職!です。・・・銀行員という職業です。
でも、○○銀行という会社に就社するのであって、絶対的に最初(入社)から最後(定年退職)まで●●の仕事をしてください、ということはありません。

総務の仕事を任されたら・・几帳面に整理整頓する能力が求められます。
営業の仕事を任されたら・・・話し下手だと困ります。人と話すのが好きで、相手との約束(時間)をきっちりと守ることが必要になります。
窓口係りの仕事を任されたら・・笑顔で来店されたお客様と会話できることと、お金を間違いなく数えることのできる人が求められます。
テレビCMをつくる仕事を担当することになったら・・・
組織内の決まりどおりに仕事をしているかどうか、仲間をチェックする担当になったら・・・
コンピューターシステムを(新しく)やりかえるチームの一員になったら・・・
・・・・・
いろんな仕事があります。就職という一つの「仕事」をする人ではなくて、就社して(その組織の一員になって)いろんな仕事を経験しながら、資質・能力を高めつつ賃金をもらう(生活する)ということになります。

ですから、今の段階では心配することなく「やるべきコト」をやる!というのがいちばんだと思います。

ただ、銀行員だけでなく社会人として、最低限の資質(というか人間性)についてお話しをしておきたいと思います。

・素直であること・・・失敗しても「ゴメンナサイ」でOKです。
それを、自分は悪くない・あの人のせいだ、というような人材は(いずれ)孤立します。⇒ そうなると誰も仕事のやり方やいろんなコトを教えてくれなくなります。
・(できれば)明るいこと・・・人のふれあいや職場内においては素晴らしい資質・才能となります。
・(できれば)元気なこと・・・周囲の人たちにも「元気がうつる」からです。

簡単でしょ?(笑)
私は、若い頃(入社したての頃)ある先輩から、「若いうちに恥をかけ(失敗しろ)!」とアドバイスされました。
ほんとうにありがたい言葉でした。歳をとってから失敗したら、部下やお客様に対してものすごく恥ずかしい思いをしますからね。(苦笑)
失敗しない人間なんていません。若いうちにいろんなコトを失敗しておけば、歳をとってから失敗することはあまりなくなりますから。
・・・これも素直であるということですね。

高校時代にやっておくべきことは何か。

鶴丸は勉強するところである!という有名な言葉があります。
もちろんスポーツ(部活)等をされている方もおられると思います。
今しかできないコト、それをやってください。(自分なりの感覚・思考での「今しかできないもの」で構いません)

いちばんのお薦めは、たくさんの同級生といろんな話しをしてください・友だちになってください、ということです。
鶴丸時代の仲間と大学(短大)に入ってから、社会人になってから、話しをしよう思っても(高校時代のようには)できません。

たくさんの本を読みたい!と感じたら、それも素晴らしいコトだと思います。ぜひ、たくさんの本を、(漫画はあまりお薦めしませんが)速読・乱読・積読(つんどく)してください。
きっと(人生において)役に立ちます。

3年間、あることを続けたらすごいコトです。絶対、鶴丸で・その分野で(ひょっとしたら鹿児島全体でも)いちばんになれるかも知れません。

大学はどんな学部に行き、何を学び、何を身に付ければよいか。

私の在籍していた銀行には、農学部出身の銀行員がいました。
鹿児島県庁・農政部のOB(退職者)で中途採用で銀行の職員になっていらっしゃる人もいました。
銀行そのものが一次産業にも応援していることがありますし、今現在では、一次産業×二次産業×三次産業=6次産業ということで、「6次化」ということに注力している金融機関(行政も含めてですが)も増えてきています。
⇒ それだけ多様な人材を求めているということです。

これから5年先、10年先はどんな産業が花形かわかりません。ですから、今の段階できっちりと○○になりたい、絶対なるんだ、という思いがある人でなければ、文系・理系関係なく、どこでも就職できると考えておけば大丈夫だと思います。

実際、高校卒で就職される方々もいらっしゃいます。そんな方々にとっては、企業にとっては、「大学の学部」という概念は存在しませんね。

国家公務員キャリア(Ⅰ種)ですら、東京大学だけでなくその他の大学からも採用しようというように(少しずつ)なってきているようですし。
(それでも圧倒的に東大が多いですけど。苦笑)

※あくまでも個人的な意見ですけど
医者になるんだ!という方は、どこかの大学の医学部を目指すことになりますね。
薬剤師になってもいいかな、という方は薬学部ですね。
例えば、○○局のアナウンサーになるんだったら○○大学の○△ゼミがいいらしいよ、というようなコトや
○△商社だったら、○□大学の経済学部の○○教授のゼミ、というような「指名」的な発想で将来を決めている方・決めつつある方ならば、そこを目指すことになるのでしょうけど、それ以外であれば(今の段階では)厳密にならなくても良いのでは、と思っています。

鶴丸高校の生徒としていかにあるべきかを客観的に見直す。

先輩方が、在学中に鶴丸高校でどのように学んでこられたか。

劣等生だったのでまったく参考にならないと思います。無視してお読みください。

入学した時に担任の先生から、「数学が得意そうだね」と声をかけてもらいました。
内心、そのとおりです、と思っていました。
国語は苦手で嫌い、英語はできない、数学と化学が好き、という自分でした。

ですので、(普通なら)こいつは理系に進む(選択する)だろうね、という状況だったのです。
にもかかわらず、私は文系を選択しました。

理由は単純です。
ただでさえ体重が100キロ近くあってもてないのに、理系に進めば女子が少ないという(ますますもてなくなるという)理由だけで文系を選択したのです。

毎日毎日、部活をすることもなく、悪友たちと「帰宅部」と称して下校途中にお菓子屋さんに入りびたってポテトチップスと炭酸飲料を食する日々でした。 ・・・だから肥満体になるのでしょうけど・・・

あげくのはては、受験前の年末・正月に「一度くらいは痩せておかないと一生肥満児だ」という強い思いから、2週間の断食を断行。
みごと第一希望の大学に不合格となりました。

後輩のみなさまは、こんなおバカな真似だけはしないでください。

先輩方が鶴丸で学んでこられたことが、今どのように活かされているのか。

※私は劣等生で遊んでばかりいたので、体験が勉強的に学んだことについてのアドバイスにはならないと思います。ご了承ください。

いちばんの財産は、友だちです。
鶴丸は本当に、いい人ばかりです。素晴らしい人材ばかりです。社会人になって、ほんと強く、そう思います。
お互いが歳をとった頃に、各界で頑張っている同級生の名前を目にすると自分も元気になれます。ありがたいことです。

同級生の存在が、友だちの存在が、刺激になります。そして頑張るエネルギーの素(もと)になります。
これは他の高校だと、ここまではありえないと思っていますし、他の高校卒の人たちの話しを聞くにつれ、強く思えることでもあります。

ぜひ鶴丸での生活・体験を充実させてください。

現在の鶴丸高校と生徒にどんなことを望んでおられるか。

鶴丸というネーミングは、鹿児島はもちろんのこと県外でも別格です。
自信と誇りをもって貴重な高校生活を満喫してください。

自分自身は劣等生でしたが、その他の先輩方のおかげで、ありがたい出会いや人的なふれあいをさせていただきながら今に至ることができております。ただただ、感謝・感謝です。
この素晴らしい鶴丸の風土・伝統をずっと守りながら、貴重な人材をこれからも輩出されることを心より願っております。

後輩のみなさんは、自信と誇りをもって一度きりの今の人生を創造し続けてください。
声さえかけていただければ、先輩方はいつでも応援する用意がありますから。

社会人として身に付けておかなければならないことを具体的に学ぶ。

職業人、社会人として求められていることはどんなことか。

いちばんは、自己責任・自己管理能力です。
高校時代、(予備校もあるかも知れません)大学時代は、自分たちの側が「お客さま」です。学校に授業料を払っています。
大切な大切なお客さまなのです。
ですから、(特に大学では)授業をさぼろうが、途中で退席しようが、お金をもらっている学校側は(あまり)何もいいません。
勝手に休んだりしても、決まっただけの単位を取得すればちゃんと卒業させてくれます。

遅刻をしても「お母さんが起こしてくれなかったから」「目覚まし時計がちゃんと鳴らなかったので」という言い訳をすることもできます。
※本当は起きなかった自分が悪いのですけど。

社会にでると、まったく違ってきます。
お金を払っているのは、会社です。給料をもらっているのが自分たちです。
会社に売上をもたらしてくれるのは消費者(お客さま)です。
・(給料を払っている)会社に対して、何ができているのか? 貢献できているのか?
・(会社に売上をもたらせてくれる)消費者(お客さま)に対して、何をしているのか?
ということが問われる・求められるからです。

・遅刻をする、時間を守らない=約束を守らないというような人材は、お客さまとの約束も守らない=(給料を払っている)会社にとって迷惑な行為をする可能性がある=要注意人物だ、というような目でみられます。
・同じように、言い訳をする人物だと、お客さまからの問い合わせや苦情などに対しても、「そっちが悪い」とか責任逃れをするようなトラブルを起こすかも知れない、という人物に見られるかも知れません。

いずれにしても、社会にでると自分のコトをきちんと管理できる能力が求められます。そして最終的には、自分を管理したことの責任は自分にあるのは間違いありません。
この自己責任・自己管理の考え方と行動は、必ず求められることになります。

もちろん、そうでない人もいっぱいいますけど。(笑)
でも自己責任能力・自己管理能力のある「社会人」になってください。 ⇒ それが信頼されることになり、友だち・仲間がたくさんできることにもつながります。
当然、お客さまといったような外部の方々のファン(あなたへの応援者)も増えることにつながります。

同じ人生であれば、たくさんの人々とつながった方が(いろんな体験ができるという意味で)より素晴らしい人生になると思います。

職業人、社会人としての厳しさや楽しさはどんなことか。

上記の(求められる自己管理能力の)裏返しですが、決まりごと・約束ごとを守るのが当たり前です。
できる人には何の問題もありませんが、できない人(いい加減な人)には苦痛かも知れませんね。
自分ひとりぐらいは・・・が通用しません。

また、社会人・仕事人として日々生活する中においては、目の前にハードル(困難)が出現することがあります。
場合によっては次から次へと出現することもあります。
人生とは、そういうものです。
でも、出現するからには「必ずクリアできると認められたからこそ出現するんだ、試されているんだ」と思ってチャレンジしてください。
「あなたにとっての良いコト(幸運)は、困難という仮面・マントを着用して現れる」と思ってください。

逆に、楽しさは「大人の○○」ができることです。
学生の頃と違って、金銭的なものが違ってきます。それこそサラリーマンだと毎月15万円とか20万円とかの給料をもらえます。
スイーツでもゲームでも「大人買い」ができます。

欲しかったギターも買えます、バイクも買えます、洋服も、ブランドのバッグも・・・海外旅行にも行けます。
自分の趣味や好きなものに費やすことのできるモノが違ってきます。
そんな趣味や好きなことをとおして、他の人との交流・ふれあいができれば人生は、ほんと輝くものになると思います。
ぜひ人生を満喫してください。楽しんでください。毎日毎日を遠足前夜気分(ワクワクドキドキ)にしてください。

せっかく地球というテーマパークに来ているのですから。(たまたま日本・鹿児島にいるだけです)

でも、時間だけは大切にしてくださいね。取り返せません。「いま」を大切に、というのが最後のメッセージです。

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